子ども観察記+α

兄(10歳・小4)と弟(7歳・小1)の、日々の観察記録と、+αの記録です。

勝ったり負けたり

週末に、長男が参加する剣道大会の応援に行った。去年の秋の大会で初戦敗退して泣いてから、「次は絶対勝つ」と火が着いた。半年間一度も稽古を休まず、練習そのものにも熱心に取り組むようになった。

わたしは昔から一貫して勝ち負けのあることが苦手だ。平和主義だからというわけではなく、負けず嫌いだから(笑)。だから、これまでも「勝ちたい!」と燃える息子に、「勝ち負けじゃなくて、大事なのは試合の内容ですよ・・・」と水を差しまくってきた。

初戦、長男がこの半年でだいぶ腕をあげていたことに気づいた。落ち着いているし、足さばきもスムーズになっている。最短距離からまっすぐ打ち込んでいく。綺麗に動くようになったなー、と思っているうちに、試合が終わった。

二回戦の相手には、歯が立たなかった。よく動いていたけれど、素人目にみても相手の方が一枚上手、という感じだった。去年、一昨年は、すぐ鍔迫り合いになって、なんだかよくわからないうちに勝ったり負けたりしていた。そうか、上達してくると、試合自体がわかりやすくなってくるんだな、と思った。

面を外して戻ってきた長男は、「負けた」とあっさり言った。「よく動いてた」と声をかけると、「今やれることはやった」と言ってから、一瞬だけ目が泳いだ。泣くのかな、と思ったけれど、違った。

口にしてから、「いや、そんなことない、やれることはあったはず」と思ったのかもしれない。そのあとすぐ、先生のところへ行って、指導を受けていた。「やっぱり振りかぶってからが遅いって」と言いながら戻ってきて、帰り際にはもう、「6年になるとけっこう抜ける人が多いから、勝つチャンス・・・!!」と、やや黒い計画を練っていた(笑)。

そんな息子に、「勝ち負けじゃない」なんてよくいったものだと思う。彼はずーっと勝ち負けの中にいて、その中からいろんなことを学び取っている。「勝つため」を根っこに、休まずに練習に通い、試合できちっと自分の力を発揮する。先生に助言を乞う。そしてまた、次の大会に向かってスタートを切った。わたしとはまったく違う人生を、すでに歩んでいる。

そのことに、思った以上に深い安心を感じている。よかった、わたしたちは別々だ。どんどんおやり。わたしはここで見てるから。