子ども観察記+α

兄(10歳・小4)と弟(7歳・小1)の、日々の観察記録と、+αの記録です。

「ずる」と向き合う

小4息子がこのところずっと塾のオンライン計算課題に苦戦している。1回やり通すのに30分くらいかかる。20問中18点以上取れば合格で、合格すると1ヶ月に1回の習熟度別クラス替えの際にボーナス加点される、というわりとえげつない仕組みになっている。

息子は割と算数が好きで得意なほうだが緻密なタイプではないので、30分も計算し続けていると必ず2、3問は間違えることになる。当然なかなか合格しない。ところが、聞いてみると他の子たちはどんどん合格しているという。やや不可解に思っていたら、謎がとけてしまった。

どうやら、お父さんが横で計算機を使って確かめ算していたり、手練れになると、正答をすべて書き写していたりしている子が何人もいるらしい。インセンティブのはずのボーナス加点に、子どもも親も追い詰められている様子が伺える(涙)。

そんな話を聞きながら黙々と(ではないかもしれないけど)チャレンジし続ける息子の胸中を、ちょっと想像した。なんだよー、ずるじゃんかよ、って思ってるだろう。それでも自分の中の正義とか、「それをする意味」みたいなことも考えて、もう一回だけやってみよう、とか思って頑張ってみて、でもやっぱり不合格で・・・周りはやってるのに、苦手でなかなか合格できないのに、それでも踏みとどまるのってなかなか難しいんじゃないか。

正直いろんな面でナンセンスな課題設定だと思うけど、取り組み続けることでつく力もあるんだなあ、と息子を見ていて思った。計算力もだし、がっかりしては立ち直り続ける力も。それから、「ずるしたいな」と思う気持ちと向き合う力も。

ずるはいけない、なんてみんな知っていることだ。でも、したくなる時は必ずある。いくら普段清く正しく過ごしてたって、揺らぐ瞬間はいくらでもあるだろう。そういう時に必要なのは、「揺らいだけど、残った」という小さな体験の積み重ねなのかもしれない。