子ども観察記+α

兄(10歳・小4)と弟(7歳・小1)の、日々の観察記録と、+αの記録です。

うるさいなあ。

兄くんが塾から帰ってきた。21時を回っている。なんとか22時半までには寝てほしいと思うと、さっさとご飯食べて宿題やってお風呂はいって・・・とわたしの頭の中が一気に忙しくなる。

そういう時に限って、ご本人はなぜか弟の教科書を取り出して眺めてたり、PCで紙飛行機の作り方調べはじめてたり、「それ今じゃないとだめ?」とききたくなるようなことをし始める。

本当は、そういう、どうでもいいようなことをする時間って大切だと思う。でもそれを尊重できないこの日々のスケジュール感・・・気づいたら悲しい気持ちになっていた。無力感。自分は望まない方向に進んでいるんじゃないかという不安感。

不安感を回避したくてちょっと強く出るのがいつものわたしのパターンだ。だから、いつもより口をはさむ回数が多くなってたかもしれないし、声もとがっていたのかもしれない。

背中を向けてわたしのお小言を聞いていた兄くんが、一言「うるさいなあ」と言った。彼がわたしに対してそんな風に言ったのは、たぶん初めてだ。「よう言うた!」って気持ちと「なんだと!?」という気持ちが両方押し寄せる。

「言われたくない、ってことだよね」と聞き返すと、うん、とうなずいた。さらに聞くと「自由が制限されているように感じるから」と返ってきた。子どもは的確だ。

実をいうと、わたしも同じ気持ちでいた。彼の自由を制限すればするほど、自分の自由も制限される。滔々とただ流れているはずの時間が、いつのまにか細切れになって、ただタスクを完了させるための目盛りになってしまっている。そのことに、たぶんわたしは一番苛立っていた。

「お母さんも実は、自由が制限されている感じがしている」と言ってみたら、顔を上げた兄くんと目が合った

それから、少し話をした。

「宿題はじっくりやりたいんだよねー。じっくりやると遊びに近い感じになるから」と兄くんは言う。じゃあ他にカットできることあるかなあ、と聞くと「お風呂」と即答する。えー、お風呂カットはちょっとなあ、とわたしが難色を示すと、お母さんはお風呂大事だからねえ、とニュートラルな返事が返ってきた。

譲れないポイントは彼の中にも、わたしの中にもある。それはいつでも等価だ。だから時々こうやってそのポイントを確認しあいたい。「うるさいなあ」という言葉からではあったけれど、そんな時間をもつことができたこと、よかったと思う。