子ども観察記+α

兄(10歳・小4)と弟(7歳・小1)の、日々の観察記録と、+αの記録です。

テレビを見ながら。

息子たちと大河ドラマの「真田丸」を見るのが毎週のお楽しみだ。
真田丸」は戦国時代の物語だけれど、合戦シーンは少なく、
これまで3人でのんびり楽しく見てきた。

が、今週の「完封」は、大坂夏の陣。思いっきり合戦シーンだ。
主人公も自ら馬を駆り、槍を振り回して敵を倒していく。
累々と続く徳川兵の屍。

「子どもに暴力的なシーンを見せることの是非」が、
ふと頭をよぎる。
傍らの子ども達は、怖がっている風も見せず、淡々と見ている。

ドラマ自体は、戦国時代の価値観と、今の価値観を
バランスさせたつくりになっていて、見事だと思う。
たとえば与八という足軽の造形は、
彼に「戦に出たくない」とぼやき続けさせることで、
上級武士にとっての戦と実戦部隊にとっての戦の
意味合いの違いを表現するものになっていたし、
主人公の一世一代の舞台となった冬の陣は、ただ華々しいだけでなく
そこで行われているのはまぎれもなく殺戮だ、ということを
しっかり見せていた。
どの武将の造形も、どのエピソードも、変に美化したところがないのがいい。


子ども達も、今とは違う時代のお話として、楽しんでいるようにみえる。
今は、戦争を出来る限り避け、話し合いで物事を解決しようとしている
人や国が多いことも、知識として知っている。
でも昨日は、けっこうリアリティのある映像だっただけに、
ちょっとどうだったかなー、と気になった。

見終わってから、感想を話し合った。
弟は、淀殿が陣中見舞いのために真田丸を訪れるシーンで
なぜか、「うわーー!!」と言って目をつぶって耳をふさいでいた。
何が怖かったのか聞いたら、
「真田の兵たちが、淀殿に来てほしくないな、ってふいんきになってるのが、
たえられなかった…」
と言う。
(たしかに、淀殿が派手な陣羽織を着て突然陣中に現れ、
兵たちがドン引きする、というシーンだった)
兄は、「大助(主人公の息子)が初陣で死ななくてほっとした。
まあ、夏の陣で死ぬって知ってるんだけどねー。でも、どきどきした。」
と言う。

合戦のシーンに特化することなく、ストーリーをよく見ている。
しかもけっこう細かいところまで見ているし、兄は兄らしい、弟は弟らしい
着眼点で見ているのが伝わってきて、なんだか嬉しくなった。
あ、だいじょうぶだ、ということと、一緒にテレビ見て、同じ目線で
感想を話し合える喜びと。

もちろん世の中には、何の為にあるのかまったく分からないような
しゃれにならない暴力的な映像というのもたくさんあるし、
そういうものに触れさせたいとは思わない。
でも、意図をもってきちんとつくられた作品ならば、
そして見た後にいろいろ話し合える関係性があれば、
そんなに心配することはないな、と思った。

そもそも何が心配だったのかもあいまいだったかもしれないな、と
今これを書きながら思ってる。
そして、そんな心配以上に、「真田丸」を子ども達と一緒に、
わいわい言いながら見ることのできる時間の温かさを、感じている。