子ども観察記+α

兄(10歳・小4)と弟(7歳・小1)の、日々の観察記録と、+αの記録です。

登校しぶり

今朝、兄(8歳)が「学校へ行きたくない」と言い出した。
はじめての明確な登校しぶりだ。
少しやりとりした後で、
まあ、じゃあ今日は休むかー、ちょっとお母さん仕事の相談するね、
とPCに向かう。

休むかーと言いつつも、心中穏やかではない。
ついつい仕事用じゃないFacebookのメッセージを開くと、
なぜか三重県の伊賀と東京上野で同時開催の
「伊賀 上野忍者フェスタ」
の話題で友人たちが盛り上がっている。

そのやりとりを目で追いながら、ふと
「ねー、伊賀上野と上野って関係あるの?」
と、傍らで床につっぷしていた兄に話しかけた(兄は物知りなのです)。

すると兄はむくっと起き上がり、
伊賀上野を治めていた藤堂高虎の江戸屋敷が、
上野にあったんだよ」
と即答。
知らなかった!!とすかさずチャットに書き込むわたし。
そうなんだ!兄くんと一緒に戦国史跡を旅したら、
いろいろ教えてもらえそうだな、と、友人からもお返事が来た。
関ヶ原行ってみたいけど、ほんとは関ヶ原の戦い関ヶ原では
行われてなかったんだよー。どこか知ってる?とクイズを始める
兄は、いつの間にか通常運行に戻ってきている。

そんなやりとりの数分後。
ぼくやっぱ学校行く、今日5時間授業だし、と、
兄が学校へ行く支度を始めた。
そしてそのまま、するーっと登校していってしまった。


兄を学校へ送った帰り道、いったい何が起きたのかと考えた。
そうそう、表情がぱっと明るくなったんだった、
藤堂高虎の話をしていた時。
声もいつもの、夢中でしゃべる時のトーンで。

上野の地名の由来を知っている自分がいて、
それを伝えたら、面白いって言ってくれる人がいた。
そのことに、兄は温められたのかもしれない。
そして、「自分はこれでいい、大丈夫」っていう、
自己承認の感覚につながれたんじゃないだろうか。

夕方、兄はいつもと同じように「今日お夕飯なにー?」
と言いながら帰ってきた。
学校の先生からも電話があったけれど、特に何事もなく一日を
過ごした、とのことだった(むしろ珍しい笑)。

その時にどんな心の動きがあったのか、
過ぎたことについて子どもと話し合うのは、実は案外難しい。
何があったのかな、と気にかかっている部分ももちろんある。
でも今朝の、自分に対する確かさのようなものにつながって
ぱっと明るくなった表情や、
自らを立て直して登校していった姿のほうを、
信頼していいんだという気がしている。