子ども観察記+α

兄(10歳・小4)と弟(7歳・小1)の、日々の観察記録と、+αの記録です。

勝手にできない

長男と、食事のことで小さな諍いをした。
早炊きで炊いたご飯が好きじゃなくて、食べたくない彼vs.どうにか食べさせたいわたし。あーだこーだ言い合っているうちに、もういろいろと、いやになってきた。

「もう勝手にしなさい!」の「か」の辺りでちょうど沸かしていたお湯がしゅんしゅんいいだした。むっとしたままお茶を淹れに立つ。

お茶を淹れながら、言いかけた「勝手にしなさい」を持て余していた。

勝手にしなさい。勝手にすればいい。あたしはもう知らないから勝手にすればー。そんな風に心の中で悪態をつきながら、彼は決して「勝手」にはできないのだ、ということに気づく。子どもだから。好きな材料で自分の気に入る料理をつくることもできなければ、好きな店で食事することだってできない。今この場で「うるさいな!」とかいってお財布もって飛び出すことだって、まだできない。できるのはせいぜい「食べたくない」って言うことぐらいで。

そう思ったら、「勝手にしなさい」とは言えなくなった。先に冷静になった息子が、「お母さん、ぼくの話のどの部分が嫌だったの?」と問いかけてくれて、急速にクールダウンする。そうだよね、嫌だった。怒ってたし悲しかった。…でも、何がだろう。

「食べたくない」と言われたことの何があんなに気に障ったのか。「出されたものは美味しく食べるべし」的なわたしの信条にひっかかったからか。夜のうちにお米のセットをしてなかった自分を内心責めていたからか。それとも単純に、差し出したものをノーサンキューされたことが悲しかったのか。

「勝手」にできることの少ない、大人に比べたら本当に不自由な境遇にいる息子が土壇場で投げてくれた問いを、数日経った今も、心の中に持ったままでいる。