子ども観察記+α

兄(10歳・小4)と弟(7歳・小1)の、日々の観察記録と、+αの記録です。

登場人物に丸印をつける。

兄が大手進学塾主催の「全国統一テスト」を受けた。
まだ3年生なのに今回で2回目だ。

今年の春に、テレビCMを見ていた兄が
「これ、ぼくも受けられるの?」
と聞いてきた時にはかなり驚いた。
「受けたいの?」
と、やや唖然として聞き返した覚えがある。
自分と子どもは別の人格なんだなー、とつくづく思った。

わたしは、勉強に競争心を絡めることへの抵抗が強い。
まだこんなに小さいのに、全国で何番だ、とか偏差値がいくつだ、
みたいなことをもう始めるのか、と正直思っている。

しかし、夫はまた別の見方をしている。
切磋琢磨するのは悪いことじゃないし、
兄はそうやって伸びるタイプかも、と言う。
夫婦でもけっこう話し合って、
兄がその全国統一テストを受けたのが今年の3月。
その後、その塾が週1でやっている
期間限定の格安講座に通い始めた(そういう導線があるのです)。
塾の授業は面白いらしく、
近所の公立中学校しか知らないのに「中学受験したい」と言い始め、
今日2回目のテストを受けに出かけた。

兄は勝負ごとが好きだ。
将棋も剣道も、「勝ちたい!」というエネルギーで突き進んでいく。
春のテストの時も、
「一番になりたいなー!」
と元気いっぱいに、教室に吸い込まれていった。
公園でひと遊びしてから来た兄のフリースには
思いっきり芝生がついていて、
周りの賢そうな子ども達とはだいぶ違うように見えた。

そういえば今日は、「一番になりたいなー」とは言っていなかった。
持ち帰った国語の問題用紙には、登場人物にいちいち丸印がつけてあった。
きっと塾で教わったんだろう。
なんだか少しつまらない気持ちになってページをめくっていたら、
「岡田さん」とか「母」とかに混じって、
「とうふ」という単語になぜか印をした跡があって、ちょっと笑った。
神妙な顔して印をつけ、慌てて消している姿が浮かんだ。

わたしがつまらないと思おうが思わなかろうが、
彼は、自分が進みたい方向へ進んでいく。